適応障害
抑うつ、不安、焦り、不眠、倦怠感、遅刻行動...など
●適応障害とは
適応障害とは、新たな社会環境にうまく慣れることができず、抑うつ気分、不安感、不登校、職場不適応、出勤拒否、対人トラブルなど、様々な症状や問題が現れて、社会生活に支障を来たす心の疾患です。
特に、就学、転校、就・転職、職場での配置転換や転勤、結婚・離婚、近親者との死別といった身の回りに大きな環境変化が生じて、その新たな環境への適応を迫られた際に発症するケースが多いと言われます。
適応障害は、誰にも起こり得るような環境変化のストレスによって、予想以上に精神的ダメージを受けた状態です。その背景には、周囲のサポート不足や本人の精神的な脆弱性が関与していると考えられています。
こんな症状の場合はご相談ください
- ・転校をして新しいクラスメイトや先生と学校生活を送ることになった
- ・転勤や部署の異動があり、まったく新しい職場環境で働くことになった
- ・結婚や離婚、引っ越しなどにより家庭環境が大きく変わった
- ・母親との二人暮しを長い期間にわたり送ってきたが、その母親が亡くなった
●適応障害の主な症状
情緒的な症状 | 不安、抑うつ、イライラ、悲壮感、過敏、混乱、気力・思考力・集中力の低下 |
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身体症状 | 不眠、食欲不振、動悸、過呼吸、全身倦怠感、頭痛、肩こり、腹痛 |
問題行動 | 遅刻、欠勤、早退、仕事の停滞、怠学、過剰飲酒、ギャンブル中毒、ひきこもり |
●適応障害の治療
まずは、ストレス因子を除去するように環境を整えることや、場合によってはしばらくの間、休職などによって休養をとり、心のエネルギーを回復させることが大切です。
不安や不眠などに対しては抗不安薬、うつ症状に対しては抗うつ薬といった具合に薬物用いることもありますが、適応障害の薬物療法は対症療法であり、根本的な治療ではありません。つまり適応障害の治療は薬物療法だけではうまくいかないことが多いため、環境調整やカウンセリングが重要になっています。
また一方では、認知行動療法*などによりストレス耐性を高めることも肝心です。ストレスが完全に消えて無くなったとしても、本人のストレスへの対応力が低ければ、また違ったストレスに直面した際に適応障害を発症してしまう危険性が高いからです。
*認知行動療法
物事の考え方やとらえ方(認知)、また問題となっている行動を見つめ直し、自分の陥りやすい思考や感情パターンに気づき、それを上手にコントロールし、ストレスを和らげていく手法のこと。